ドラマのあらすじ・概要

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」は、2004年4月~6月まで日テレ系で放映された水曜ドラマ枠の番組です。

もともとは戸部けいこ原作の秋田書店発行のマンガが原作となっており、「フォアミセス」での連載時からその内容の重さからかなり評判となっていました。

マンガは日本だけでなく世界各国で翻訳されているベストセラーで、平成16年度には文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞しています。

なお作者の戸部けいこは2010年1月に亡くなっており、マンガは未完のままとなっています。

漫画版ではテーマである自閉症児についてかなり綿密な取材を重ねており、単なるイメージで持たれている障がい児とその家族についての実態を克明に描きました。

ドラマ版でもそうしたリアリティ溢れる描写はきちんと引き継がれており、実際に障がい児を持つ全国の親から大きな反響がありました。

キャストは主演に篠原涼子、副主演に小林聡美という演技派を起用しており、夫役としてTOKIOの山口達也が配置されるなど豪華な面々が揃っています。

また難しい自閉症児役としては天才子役として知られている齋藤隆成が起用されていました。

キャスト・スタッフ

2004年ころといえば篠原涼子がドラマ枠でかなりの存在感を示していた頃ですが、その中にあって比較的地味なこの「光とともに…~自閉症児を抱えて~」はしっかりした演技力を問われるものでした。

ただこれはドラマを制作する側の意図もあったようで、何かと刺激的な内容ばかりを押し出して話題作りをする風潮から一線を画すようにして、話題性よりもしっかりと漫画版のリアリティを再現できるキャスティングということで配置をしたとされています。

準主役として起用されたのが小林聡美ですが、こちらは主人公の息子である自閉症児の「光一」が通っていた小学校の担任役として登場しています。

他にも数多く配置された演技派の俳優・女優の力もあってかドラマの平均視聴率は15.4%、最高視聴率は最終回の第11回の18.3%とドラマ枠としてはかなり成功の部類になっています。

このドラマは第41回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞の最優秀作品賞に選ばれ、主演女優賞に篠原涼子、助演男優賞に齋藤隆成、助演女優賞に小林聡美が選ばれるという快挙を成し遂げています。

ドラマの人気もあってリアルタイム放送の後にも2006年、2007年、2009年と続けて日テレ枠で再放送をしました。

見どころ・注目点

自閉症児とその家族というかなり重いテーマを扱っているドラマですが、全体としての印象は完全に重たいものではなくところどころで軽さを見せる見やすいトーンでまとまっています。

こうした障がいをテーマにした作品の場合どうしても世間から孤立する家族や偏見に苦しむ児童の姿ばかりが強調されがちになってしまうものですが、この「光とともに…」においてはどちらかというと家族同士のつながりの確認や自分自身との戦いという方の描写に力を入れています。

もちろん世間になかなか症状が理解されない自閉症ということについて、当事者が悩んだりうまく社会生活ができないことへのつらさも描写がありますが、その障がいを単に「治す」のではなくどう付き合っていくかということを提案する意味で非常に強いメッセージを放っています。

何よりも登場する人物のほぼ全員が高い演技力を持っているので、軽々しくお涙頂戴になっていたり、臭い芝居にうんざりしたりということなく最後まで見ていけます。