「泣くな、はらちゃん」は、2013年の1月~3月までの全10回で放映された日テレ系のドラマです。
主演はTOKIOの長瀬智也で、有名脚本家である岡田惠和が手がけた作品としてかなりの注目を受けました。
ちなみに「泣くな、はらちゃん」というタイトルはドラマのタイトルであると同時にドラマ内で登場する架空のマンガのタイトルでもあります。
ドラマのあらすじは、ある女性漫画家が自分で描いたマンガの中から現実に登場してきた男性と恋をしていくというファンタジーものとなっています。
そのため公式サイトのデザインもかなりポップなマンガらしい仕様になっていて、長瀬智也によく似た主人公男性のイラストがあちこちに配置されています。

このドラマのモチーフになっているのは、実際に世の中的によく行われているマンガを原作にした実写版のドラマの作成です。
それまでマンガ作品として登場していた主人公や登場人物が実写化されることでまた違った印象になるということはよくありますが、そのギャップ感をそのまま物語にしてしまおうというのが「泣くな、はらちゃん」の発想の原点です。
実際、長瀬智也というキャラクターがマンガのキャラとしても十分に立つほどしっかりしたものであるということもあり、二次元の世界の登場人物が三次元に登場してくるという荒唐無稽な設定も受け入れやすくなっていました。

「泣くな、はらちゃん」の面白いところは、単にマンガの登場人物が現実に出てきたことで起こす騒動ものというコメディーの枠を超えた、ちょっと考えさせられるポイントがいくつも出てくるということです。
ドラマ内のマンガである「泣くな、はらちゃん」を描いているのは、厭世的な考え方の暗い女性だったのですが、マンガから出てきた「はらちゃん」という主人公キャラの無垢さにあてられ少しずつ考え方などが変わってきます。
またドラマの中盤くらいには、主人公の女性の勤務先であった工場の上司が突然亡くなってしまうという事件に遭遇します。
そこでショックを受けた主人公は、マンガを描くことではらちゃんと同じようにその上司にももう一度会えるのではないかと書き始めるというくだりがあります。
結果的にそうして現実にはなくしてしまった人間関係をマンガを書くことで取り戻せるのですが、それは本当の現実ではないということを痛感させられたりします。
一見ただのコメディーのように見えて細かいディティールがしっかりしている良作です。